ウイルハーツの考える職場訓練とは
現状の課題
障がい者の就職状況においては、ここ十年で就業に関する様々な対策が実行された結果、毎年右肩上がりの就労件数を記録しています(注:図1)。
一方で、1年以上の就労定着率に目を向けると、未だ改善が進んでいない状況です(注:図2)。
図1:障がい者の求職申込数と就業件数図2:障がい者の求人種別ごとの職場定着率
就労定着における課題としては、仕事内容の理解不足や人間関係に起因する挫折、更にはご自身の体調面の変化に起因するものが多く挙げられています。
また、自身の障がいに対する自己理解ならびに仕事上の予備知識を得られる機会の薄さや、採用する側である企業側の知識醸成や環境作りがいまだ途上である事も課題として加わります。
そのような課題に対し、様々な取り組みがある中で、我々ウイルハーツは「職場訓練」という形で支援のアプローチを試みております。
就職するということは、単純に「環境が変わる」ことがまず第一に挙げられます。それに伴い、差の程度はあれど誰にとっても知識的や感覚的にも知らないことばかりのため、気持ちの整理や切り替えがなかなか出来ず、ストレスを強く抱えがちになります。
特に、障がいをお持ちの方にとっては、自身の知らないうちに身体や気持ちに大きな負担や無理を強いることになります。予備知識の習得や自己理解が進んでいない場合は、ご自身のコントロールが難しくなりますので、結果的に自分自身を追い込んでしまい、定着に至らないケースが多いのではと思います。
また、支援機関様や採用を検討される企業様としましても、就労にかかわる環境づくりに課題を抱えているのではないかと想像しています。
例えば、業務面における適切な指示の仕方であったり所作であったり、挙げれば大変多くなりますが、定着環境を作り上げていくまでの道のりは大変長いものだと思います。
定着向上には
図3:訓練有無別職場定着率と就労支援機関連携有無別職場定着率
出典:『障害者の就業状況等に関する調査研究』 (2017年JEED)定着が向上している就労者の割合を見ていくと、就労移行支援期間との連携を取っている方と就業前訓練を行なっている方の割合が、約2割ほど高くなっています(注:図3)。
就労前訓練を受けるということは、求職者のスキル向上や情報スピードアップ、自己理解機会などが多く得られるため、安心感が生まれます。
そこで、ウイルハーツでは、「支援機関様と連携が取れる状態」であり、かつ「実際に企業運営を行っている中での就労前訓練」を実施できる環境を用いて、利用者様が「実際に働くこと」を想定した訓練を受けることで企業の戦力になるために必要な「考え方」「自己理解」「実際の業務のながれ」を体験いただき、クリエイター業界をはじめとした色々な知識を受け取っていただきたいと思います。
ウイルハーツの考える職場訓練
図4:ウイルハーツの就労支援イメージ
生活支援・就労支援・就労、この3つがうまく絡み合ってこそ最終的に継続的な就労を実現できるものと考えています(注:図4)。
もちろん、急に上昇できるものではないですし、それぞれ段階があるので、段階を上がっていくためには様々な場面で支援が必要になります。
訓練内容こそDTPを題材とはしていますが、何よりも働くうえでご自身にとって良い点と改善すべき点を見つけて頂き、ご自身の「ありのまま」を受け入れ、その中で長く働く力をつける手段を作って頂くことがこの訓練の最大の目的となります。
利用者のみなさまにとって基本に立ち返りできる経験を得て頂ければ幸いです。
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